股関節の可動域が狭くなる原因

股関節の可動域が狭くなる原因には、骨や軟骨の変化、関節包や筋肉の硬さ、炎症や外傷、形成不全などが関わっています。
体重のかかり方や日常動作のクセによって負担が増し、動きにくさが生じることもあるでしょう。50代以降の女性は要因が重なりやすいため、注意が必要です。
ここでは、股関節の可動域が狭くなる主な原因を紹介します。
加齢による関節の形状変化
年齢とともに股関節の軟骨が薄くなり、関節のすき間(関節裂隙)が狭くなることがあります。
進行すると、軟骨の下の骨が硬くなる変化(骨硬化)や、関節の周囲に骨棘(こつきょく:骨の出っ張り)が形成される場合もあるでしょう。
さらに進むと荷重部の軟骨が消失し、骨が露出することも。原因となる病気がない場合でも、年齢とともに股関節症を発症することもあります。
股関節の可動域は、医学的には参考可動域が定められていて、屈曲(脚を前に上げる動き)は約120度とされています。
また、椅子に座る姿勢のような90度屈曲位も、日常生活の中で多い動きです。変化が進むと、曲げる・開く動きが小さくなったり、痛みが出たりすることがあります。
運動不足による筋肉の硬さ・柔軟性の低下
運動不足で股関節を動かす機会が減ると、関節の不動が続き、皮膚・骨格筋・靭帯・関節包の軟部組織が硬くなって動かせる範囲が制限される状態(拘縮:こうしゅく)につながることがあります。
軟部組織ではコラーゲンが増えて線維化し、筋肉の伸張性が低下しやすくなることも考えられrでしょう。
拘縮や変形を防ぐ目的として、痛みや不快感がない範囲で股関節を動かす練習(関節可動域訓練)の活用や長時間同じ姿勢を続けないこと、股関節まわりを無理なく伸ばすストレッチを取り入れるのがおすすめです。
変形性股関節症などの病気の影響
股関節の可動域が狭くなる原因の一つに、変形性股関節症や関節リウマチなどの病気が関わっている場合があります。
変形性股関節症では、鼠径部(脚の付け根)の痛みや、靴下・爪切りがしづらいといった日常動作の支障、可動域制限が起こることもあるでしょう。
また、関節リウマチでは滑膜の炎症により腫れや痛みが続き、関節の変形や可動域制限につながることも。
特発性大腿骨頭壊死症でも、股関節痛がみられる可能性があります。
痛みの出方や経過で考えられる原因は異なるため、股関節が動かしにくい理由を、一つずつ確認することが重要です。
日常のクセや姿勢の悪さによる影響
猫背や反り腰、長時間座ったままの姿勢、片足重心などの生活習慣も、股関節に負担を与える原因になることがあります。
座り続ける場面では、股関節が曲がった姿勢(屈曲位)で固定され、股関節前側の腸腰筋が短く硬くなり、伸びにくくなることも考えられます。
立つ・座ると言った動作では、背筋を伸ばす意識や骨盤を立てて深く腰掛ける意識も大切です。
過去の怪我・炎症・手術後の影響
転倒や打撲などの過去の外傷や炎症がきっかけで、股関節まわりに痛みが残る場合があります。痛みを避けて動かす量が減ると、股関節を動かしにくくなる可能性もあるため注意が必要です。
他には、外傷や手術の痕、傷跡(瘢痕)が硬く縮み、関節の動きが制限されるケースもあります。
痛みが落ち着いても、動かさない期間が長いほど可動域が戻りにくくなることもあるでしょう。気になるときは、日常動作で避けている動きがないか振り返ることも大切です。
その他の見落とされやすい原因
股関節の可動域が狭くなる原因は、股関節そのものの変化だけではありません。
腰椎の状態が影響する場合や、股関節の形の特徴により、太ももの骨と骨盤側の骨が動かす際にぶつかりやすくなり、動きが制限される(大腿骨寛骨臼インピンジメント:FAI)場合もあります。
また、関節を長く動かさないことによる拘縮が、可動域の狭さに関係するケースもあります。
股関節の可動域が狭くなりやすい人の特徴

特別な病気がなくても、日々の生活習慣によって股関節の可動域は少しずつ狭くなることがあります。
長時間同じ姿勢が続く人や、立ち方・座り方に偏りがある人は、特に50代以降から注意が必要です。
ここからは、股関節の可動域が狭くなりやすい人の特徴を紹介します。
長時間座りっぱなしの生活をしている
長時間座ったままの生活では、股関節を動かす機会そのものが減りやすくなります。
関節を動かさない時間が続くと、関節を動かさない状態が続き、関節包や靱帯などの軟部組織が硬くなり、可動域が狭くなる拘縮につながる場合があります。
デスクワークや車移動が多い人ほど、この影響を受けやすいとされているため、注意が必要です。
厚生労働省のe-ヘルスネット「座位行動の定義とその実態」でも、長時間の座位行動(座り過ぎ)が日常生活で増えていること、健康への悪影響が注目されていることなどが示されています。
足を組む・片足重心などの習慣がある
足を組む、片足に体重をかけて立つといった左右差のある姿勢は、股関節に偏った負担がかかる原因の一つです。
こうした姿勢の積み重ねは、関節周囲の筋肉や靭帯が緊張しやすい状態につながる場合があります。
ほかにも、あぐらや脚組みなど、股関節やひざに負担がかかる座り方も注意すべきです。骨盤が傾いた状態が続くと、片側の股関節に体重がかかりやすいとされています。
まずは両足に均等に体重を乗せ、脚を組まずに座る時間を増やすことが大切です。
運動経験が少ない・または急に運動をやめた
運動経験が少ない人、または急に運動をやめた人は、身体活動量が低下しやすくなります。
運動不足になると股関節を支える筋肉が硬くなり、可動域が狭まりやすくなるため注意が必要です。
近年では、仕事の自動化、交通手段の発達により身体活動量が低下している人が増えています。
厚生労働省の健康日本21「身体活動・運動」にも、家事や仕事の自動化、交通手段の発達により身体活動量が低下してきたと記載されています。
安静や不動が続くと筋力低下や筋の性質の変化が起こり、関節の可動域制限に関わることもあるため、無理のない範囲で日常の身体活動を増やす工夫が大切です。
股関節の可動域を広げやすくするトレーニング・ストレッチ

痛みが強い・歩行が困難・寝ていても痛みで目が覚める・日常生活に支障が出ているなどの場合は、早めに医療機関を受診する必要がありますが、自宅でも股関節の可動域を広げやすくするストレッチをするのもよいでしょう。
ただし、自己判断でストレッチのみを行うと逆効果になる可能性もあるため、無理は禁物です。
ここでは、股関節の可動域を広げやすくするトレーニングとストレッチを紹介します。
歩くスピードが上がる&腰痛改善も!腸腰筋トレーニング

股関節をスムーズに動かすうえで欠かせないのが、体の奥にある腸腰筋(ちょうようきん)です。
腸腰筋は、歩いたり階段を上ったりするときに足を前に蹴り出す重要な役割を担っていますが、その一方で日常生活の中で意識しにくい筋肉でもあります。
以下は、10秒キープするだけの腸腰筋トレーニングのやり方です。
- 両ひざを開いて腰を立てて背筋を伸ばし、両手の指は床につけて座る
- ひざは開いて足裏をしっかり合わせ、ひし形にならないよう注意しながら両足の内側に正方形を作る。
- 骨盤を立てたまま、おへそをグーっと前に押し出すように上半身を前傾させる。
- 足の付け根に力を入れて10秒間キープする。
- この動きを3〜5回繰り返す。
このトレーニングは、1日2回、朝と寝る前に行うことが推奨されています。
継続して行うことで、筋肉がバランスよく働くようになり、股関節が安定して歩行スピードのアップが期待できます。腰痛やぎっくり腰にお困りの人にもおすすめです。
股関節まわりをほぐす開脚のポーズ

座りっぱなしが続く、股関節まわりが固い人は、柔軟性を高める動きを取り入れましょう。以下は、股関節まわりをほぐす開脚のポーズのやり方です。
- 壁に向かって座る。
- お尻を壁につけ、両足を上に持ち上げてかかとを押し出すようにして徐々に開脚する。
- 秒数はあえて決めず、満足するまで行う。
開脚をしているときは、スマホを見ながらでも読書を見ながらでも構いません。
ポイントは、鼻から吸って鼻からはくヨガの基本の呼吸を守ることと、背中が浮かないように骨盤を後ろに倒すような意識を持つこと。伸びが深まり、お尻のコリもほぐれて腰まわりもスッキリします。
床に寝転んで「股関節ゆるめ」

床で行う「股関節ゆるめ」は、お尻の奥の梨状筋(りじょうきん)を伸ばすストレッチです。
梨状筋は股関節の近くで股関節の動きに関わる筋肉であるため、やさしく伸ばすことで、股関節まわりの緊張が和らぎ、動かしやすさにつながる場合があります。
以下は、床に寝転んで「股関節ゆるめ」のやり方です。
- うつ伏せになり、片脚を上げてひざを90度に曲げる。
- かかとを手で持ち、股関節のインナーマッスルに効かせるイメージで、足の付け根から大きく外へ開く。
- この姿勢を15秒間キープし、反対側も同様に行う。
15秒間キープしている間、腰を反らさないように注意してください。股関節をベタっと床に密着させ、さらに足を開くと効果がアップします。
ただし、痛みが出ない範囲で行い、違和感が強いときは中止しましょう。
股関節を心地よくサポートするハルメクのおすすめインナー

股関節の動きが気になる日は、ストレッチに加え、日常での負担を減らす工夫も役立ちます。動きを妨げにくいインナー選びも、その一つです。
ここでは、股関節を心地よくサポートするハルメクのおすすめインナーを2種類紹介します。
「ハルメク 健康サポート・ヘルシーガードル(通年用)」

股関節まわりを支えたい人に向いているのが、「股関節サポート」を備えた「ハルメク 健康サポート・ヘルシーガードル(通年用)」です。
骨盤と連動する股関節まわりまで面で支えやすい設計で、立ち上がりや歩行など日常の動きを快適にする工夫が施されています。
それに併せて、V字構造の「おなかもち上げサポート」が下腹部をやさしく引き上げ、「骨盤まわり引き締めサポート」がサイドから後ろまで広く包み込みます。
「お尻サポート」も組み合わさり、下半身を安定させたい日にも取り入れやすい一枚です。

薄くなめらかな生地で重ね着になじみやすく、幅広ウエストはゴム不使用で食い込みにくい仕様になっています。

「ハルメク バランスサポートスパッツ ロング丈(通年用)」

股関節に加えて、ひざや腰まで不安を感じやすい人に向いているのが、「ハルメク バランスサポートスパッツ ロング丈(通年用)」です。
骨盤・ヒップ・股関節・太もも・ひざ・ふくらはぎの下半身6か所を一枚でやさしく支える構造で、筋肉の流れに沿ってサポートします。

股関節につながる部位まで支えることで、歩行時のブレを抑え、足が前に出やすい感覚を助ける設計です。
薄手のメッシュ生地は通気性がよく、グーンと伸びて締め付け感が少なめなのも魅力の一つ。

歩きやすさや下半身の安定感を重視したい日常使いに取り入れやすいスパッツといえるでしょう。
股関節の可動域を保つために今日からできることを始めよう
股関節の可動域は、年齢や病気だけでなく、日々の生活習慣や姿勢、動かす機会の少なさなどが重なって狭くなることがあります。
原因を知り、自分に当てはまる特徴に気付くことが、対策の第一歩です。
無理のないストレッチやトレーニングで股関節まわりをやさしく動かし、必要に応じて日常動作を支える工夫を取り入れることで、動きやすさを保ちやすくなります。
できることから少しずつ続け、股関節と上手に付き合っていきましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
※記事内の価格は2025年2月4日時点のもので、すべて税込です。
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