50代以降は要注意!女性に尿漏れが多い原因

「急な尿意に襲われてトイレに駆け込んでも、間に合わないことが多い」「お腹に力が入るとちょろっと漏れてしまうことがある」など、年齢を重ねてから増えてくるトイレのお悩み。「自分だけなのでは?」と不安を感じている人もいることでしょう。
そもそも女性は尿道が直線で短く、出産などで骨盤が開きやすいことから、男性よりも尿漏れしやすいといわれていますが、そのほかにもいくつか考えられる原因があります。
ここでは、年齢を重ねた女性に尿漏れが多い原因について詳しく紹介します。
更年期と女性ホルモンの変化
一般的に、更年期とは閉経の前後5年ずつの約10年間、45〜55歳頃までのことです。
更年期になると、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が乱高下しながら減少し、閉経を迎える頃にはほとんど分泌されなくなります。その間、徐々に子宮や卵巣が小さくなっていくとともに、骨盤が緩やかに開いていきます。
それと同時に尿道や膀胱周辺の組織のハリが失われ、尿漏れや頻尿などの症状が起こりやすくなるなど、女性の体に劇的な変化が起こるため、突然の尿漏れにショックを受ける女性も多いです。
骨盤底筋の衰え
骨盤底筋とは、骨盤の底にあるハンモック状の筋肉の集合体で、膀胱・直腸・子宮などの臓器を下から支えています。

尿道や肛門の周辺にあり、排泄をコントロールしていることから、加齢や出産、運動不足などが原因で骨盤底筋が緩んでしまうと、尿を止める機能が正常に働かなくなり、少しお腹に力が入っただけで尿漏れしやすくなります。
過活動膀胱
過活動膀胱とは、急な尿意でトイレを我慢できない状態、いわゆる尿意切迫感があり、頻尿(起きている間に8回以上トイレに行く状態)や夜間頻尿(眠っている間に2回以上尿意で目が覚めてトイレへ行く状態)も伴う状態です。
頻尿や尿意切迫感があることで、常にトイレがどこにあるのか探したり、旅行や観劇、映画館へ行くのがこわくなったりする人もいます。
また、膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていなくても本人の意思とは関係なく膀胱が収縮するため、尿漏れや尿失禁といった症状を伴うなど、日常生活に支障が出やすくなります。
生活習慣や体型の変化
肥満は下腹部に過剰な圧力がかかり、子宮や膀胱を変形させる原因の一つです。日頃運動をする習慣がないと、全身の筋力が低下するとともに、骨盤底筋の筋力や体力の低下も招き、さらに尿漏れしやすくなります。
また、便秘で大腸内に便が溜まっている場合も、子宮や膀胱を圧迫して膀胱が膨張するのを邪魔してしまい、骨盤底筋に負担がかかって筋肉が衰える原因になることもあります。
ストレスや緊張
尿漏れは慢性的なストレスによって起こることもあります。
これは、膀胱の動きに自律神経が深く関わっているからです。ストレスが自律神経を刺激すると、膀胱が過剰な動きをしてしまい、自分の意思とは関係なく、突然収縮して急激に強い尿意が生じることがあります。
また、緊張も尿漏れや頻尿の原因になることもあります。重要な会議で発言する際やプレゼンをする際に、緊張でトイレに行きたくなった経験がある人もいるかもしれません。
このように、ストレスや緊張などの心理的な影響によって膀胱の収縮や尿を溜める機能に乱れが生じ、排尿トラブルが起こることもありますが、その他の原因が関係している場合も多いため、きちんと医療機関を受診することが大切です。
女性に多い尿漏れのタイプとそれぞれの特徴

ひと口に「尿漏れ」といっても、さまざまな症状があるため、対処法の前に自分の尿漏れがどのタイプにあたるのか知ることが大切です。
ここでは、女性に多い尿漏れのタイプとそれぞれの特徴を紹介します。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、女性にもっとも多い尿漏れのタイプで、くしゃみや咳をしたとき、笑ったとき、重い荷物を持ったときなど、お腹に力が入ったときに漏れやすくなります。
主な原因は加齢や肥満、妊娠などによる骨盤底筋の緩みで、中年以降の女性の3人に1人が経験しているといわれています。
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、過活動膀胱の症状の一つで、尿意を感じると我慢できずに出てしまうのが特徴です。
急に尿意を感じ、トイレに間に合わない、我慢できないなどの症状があります。くしゃみや咳などの何かの瞬間ではなく、急に尿意をもよおすのが腹圧性尿失禁との違いです。
通常、尿が膀胱に溜まると脳は排尿を我慢するように指示を出しますが、連携がうまくいかず、膀胱が勝手に尿を出してしまうことが原因だといわれています。
しかし、特に理由もなく膀胱が勝手に収縮して尿漏れが起こることもあり、検査をしても原因がわからないこともあります。
混合性尿失禁
混合性尿失禁は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状がある状態です。
骨盤底筋の緩みに加えて、尿道や膀胱の機能低下が起こることで発症するため、閉経後の女性に多いタイプだといえます。
ひと口に混合性といっても、腹圧性と切迫性のどちらの症状が強いかで治療方法が異なるため、きちんと専門家に相談することが大切です。
知らず知らずに尿漏れを悪化させる生活習慣

日常のふとした生活習慣が、知らず知らずのうちに尿漏れを悪化させていることもあります。
代表的なのは、尿意がないにもかかわらず頻繁にトイレへ行ったり、排尿時に強くいきんだりする行動です。膀胱や骨盤底筋の機能低下を招き、尿漏れを悪化させる原因になります。
肥満の人も、便秘になりやすくトイレでいきむ時間が多くなるため注意が必要です。
排尿は無駄な力を入れずにスムーズに行うことが大切です。排尿し終わったときに残尿感がある場合も、いきんで尿を出そうとする行動は避けましょう。
ほかには、水分の控え過ぎやカフェインの取り過ぎも、尿漏れを悪化させる生活習慣の一つです。トイレに行きたくなるのが怖いからといって水分を控え過ぎると、膀胱が過敏になりやすく、反対にカフェインやアルコールを取り過ぎても尿意が強まる原因になります。
すぐに始めよう!自宅でできる尿漏れ対策

尿漏れの症状が重く、日常生活に支障が出ている場合は、医療機関を受診して薬物療法などの適切な治療を受けることが大切ですが、自宅でできる対策法もあります。
ここでは、自宅でできる尿漏れ対策を紹介します。
生活習慣の見直し
尿漏れの予防・改善には、生活習慣の見直しがとても重要です。
例えば、コーヒーや緑茶、紅茶などのカフェインが含まれる飲み物やアルコール、辛い食べ物は、膀胱の粘膜を刺激するため、摂取量を減らしましょう。
ほかにも、肥満を改善するために、食事を見直したり運動を取り入れたりなど、日頃の生活習慣を見直し、適正体重を心がけることが大切です。
下腹部の冷えも血流の流れを悪化させて膀胱機能の低下を招く原因になります。季節を問わず、お腹や足を冷やさないよう温めるようにしましょう。
膀胱訓練
膀胱訓練とは、トイレに行く間隔を少しずつ伸ばしていくトレーニングのことで、切迫性尿失禁・過活動膀胱の改善に有効です。排尿の間隔を徐々に伸ばしていき、膀胱にためられる尿の量を少しずつ増やしていきます。
まずは1回、トイレに行くのを5分間我慢してみましょう。それを1週間ほど続けてみてください。
通常は尿意を感じたらトイレへ行きますが、膀胱訓練では1日のうちの時間や回数を決めて排尿します。10分、15分と尿意を我慢する時間を徐々に伸ばしていき、最終的に2〜3時間我慢できるようになるのが目標です。
膀胱訓練は、医師の指導のもと行う必要があるため、まずは医療機関に相談に行ってみましょう。
骨盤底筋体操
骨盤底筋体操は骨盤底筋トレーニングやケーゲル体操と呼ばれ、尿漏れ対策として医療機関でも勧められる体操です。加齢や出産などで弱まってしまった骨盤底筋や尿道括約筋を鍛えて、尿を我慢する力を復活させます。
以下は、仰向けの状態で行う基本的な骨盤底筋体操のやり方です。

- 仰向けに横になり、両足を肩幅くらいにひらいて両ひざを軽く立てる
- 尿道・肛門・膣をキュッと締めたり緩めたりする動きを2〜3回繰り返す
- 尿道・肛門・膣をゆっくりぎゅうっと締めて3秒間キープし、ゆっくりと緩めていく
- ゆっくり締めてゆっくり緩める動きを2〜3回繰り返す
骨盤底筋体操を行う際に重要なのが、骨盤底筋を意識することです。いきまないように注意しながら、骨盤底筋の動きを感じましょう。
骨盤底筋体操は、お腹に力が入ったときに尿が漏れる腹圧性尿失禁の改善が期待できますが、骨盤底筋や尿道括約筋が弱まり、尿道にしみ出た尿が刺激となって尿意をもよおす切迫性尿失禁や過活動の改善にも有効だとされています。
尿漏れ予防・対策として行う場合は、排尿をして膀胱を空にしてから始めてください。
骨盤底筋サポートショーツで骨盤底筋の意識付け!
「尿漏れの改善に骨盤底筋体操を始めてみたいけれど、骨盤底筋の位置がよくわからない」そんなお悩みの解消が期待できるのが「ハルメク ヘルスプラス・骨盤底筋&ヒップサポートショーツ」です。
骨盤底筋は目で見て位置が確認できません。慣れないうちは自力で意識を向けることが難しい場合もあるため、はくだけで意識付けができるサポートショーツを活用するのがおすすめです。
「ハルメク ヘルスプラス・骨盤底筋&ヒップサポートショーツ」は、股部分についたハンモック状のサポート生地が適度な圧で骨盤底をもち上げるようにサポートし、骨盤底筋を意識しやすくしてくれます。
さらに、骨盤底筋に負担がかからないよう、骨盤まわりサポートで左右から骨盤まわりをサポートしてくれるのもポイントです。
生地の肌側は天然繊維の綿、パワーネットも綿混で肌にやさしくはき心地も快適。表面もつるんとしたなめらかな質感でズボンをはいたときのもたつきもありません。
おなか部分とヒップに付いたサポート生地が気になるぽっこりおなかをすっきり、お尻をソフトにもち上げて、パンツスタイルを若々しく見せてくれます。


骨盤底筋トレーニングの説明書もついているため、ぜひショーツをはいてチャレンジしてみてください。
トイレに間に合わない症状を改善して快適に過ごそう!
尿漏れは年齢を重ねた女性にとって、決してめずらしいお悩みではありません。
加齢や更年期による身体の変化、生活習慣、ストレスが主な原因として挙げられますが、正しい知識を持ったうえでセルフケアを行い、必要に応じて医療機関で適切な治療を受けることで、改善できる場合もあります。
年齢のせいだと諦めず、快適な毎日を取り戻すために、今日からできることを始めてみましょう。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
▪️もっと知りたい▪️
- 尿漏れは何歳から?50代女性の尿失禁の原因は?
- 頻尿&尿漏れ…多くの女性が悩む2大トラブルを解説
- 「くしゃみでドキッ!」放っておいていいの?尿漏れ対策を泌尿器科医が解説
- 尿漏れ・頻尿を改善する「習慣・トレーニング・ケア」
- 50代「尿漏れ・ぽっこりお腹」にならない人とは?
▪️この記事で紹介した商品はこちら▪️