骨盤底筋は美と健康の要!基礎知識&50代におすすめの鍛え方

骨盤底筋は美と健康の要!基礎知識&50代におすすめの鍛え方

骨盤底筋は尿漏れや内臓の落ち込み予防、姿勢の維持のために重要な筋肉。50代になると、女性ホルモンの減少や筋力の低下により、骨盤底筋が衰えてさまざまな影響が出ることもあるため、日常的にトレーニングで鍛えましょう。おすすめの鍛え方も紹介します。

骨盤底筋の基礎知識と50代女性との関係

骨盤底筋の基礎知識と50代女性との関係
koti / PIXTA

女性が健康的な日常生活を送るうえでとても重要な骨盤底筋(こつばんていきん)。緩んでしまうと、日常生活にさまざまな影響が現れますが、具体的にどのような筋肉なのかご存じですか?

ここでは、骨盤底筋の基礎知識と50代女性との関係について詳しく紹介します。

骨盤底筋の基本的な構造と役割

骨盤底筋とは、恥骨から尾骨、左右の坐骨までをつなぐように位置し、骨盤の底でハンモックのように内臓を支える筋肉群です。

肛門挙筋や尿道括約筋などのいくつかの筋肉が合わさっていて、膀胱や子宮、直腸などの骨盤内の臓器を支え、排尿や排便のコントロール、姿勢維持などの重要な役割を果たしています。

骨盤底筋が弱る原因

女性は骨盤が広く、骨盤底筋の面積が広いうえ、尿道・膣・肛門の3つの穴があることから、もともと骨盤底筋が弱りやすい構造になっています。それをさらに加速させるのが、加齢や妊娠・出産、肥満、トイレでのいきみ、運動不足などです。

近年では、長時間のデスクワークをする女性も増えていて、骨盤底筋の筋力低下を招いている恐れもあります。

特に50代の女性は、更年期の影響で女性ホルモン・エストロゲンが減少し、膣や膀胱の粘膜が薄くなって骨盤底筋の筋肉が落ちやすいため、意識的にケアをする必要があります。

50代女性が骨盤底筋を鍛える重要性

骨盤底筋が衰えると、ぽっこりお腹になってボディラインが崩れたり、くしゃみや咳、運動をしたときに尿漏れ(腹圧性尿失禁)したり、反り腰や猫背、腰痛になったりなど、見た目だけでなく日常生活にまで悪影響が及ぶ可能性があります。

放置すると、骨盤底筋が支えきれなくなった骨盤内の臓器が膣の中に落ち込み、体外へと出てしまう「骨盤臓器脱」になる恐れもあるため注意が必要です。

50代女性は加齢によって筋肉量が落ちやすく、それに加えて出産経験や日頃の生活習慣なども影響し、骨盤底筋に負担がかかりやすいため、内臓の下垂や姿勢の乱れを予防するためにも、骨盤底筋を鍛えておくことが大切です。

くしゃみや咳をしたときに尿漏れが起きる、腰痛や姿勢の崩れ、股の間にピンポン玉のようなものが触れるといった症状がある場合は、骨盤底筋が衰えている可能性があります。

早めに骨盤底筋トレーニングをはじめましょう。

50代女性におすすめ!骨盤底筋トレーニングのバリエーション

50代女性におすすめ!骨盤底筋トレーニングのバリエーション
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女性の美と健康の要である骨盤底筋は、「骨盤底筋トレーニング」や「骨盤底筋体操」「ケーゲル体操」と呼ばれるトレーニングで訓練すれば鍛えることができます。

個人差はありますが、効果が実感できるまでには1〜3か月ほどかかるとされているため、根気強く続けることが大切です。毎日コツコツ続けられるよう、鍛え方のバリエーションを増やしておきましょう。

ここでは、50代女性におすすめの自宅でできる簡単な骨盤底筋トレーニングを4種類紹介します。

仰向けで

参照:骨盤底筋トレーニングで尿漏れ・ぽっこりお腹を改善!
参照:骨盤底筋トレーニングで尿漏れ・ぽっこりお腹を改善!

仰向けは骨盤底筋を鍛えるトレーニングの基本的な姿勢です。朝起きたときや寝る前など、布団の中でもできます。

初めて骨盤底筋トレーニングを行う人は、まずこのやり方を知っておきましょう。

  1. 仰向けに横になり、足を肩幅に開いて両ひざを軽く曲げて立て、体をリラックスさせる。
  2. 息を吐きながら膣・尿道・肛門全体を引き上げるようなイメージで5〜10秒ほど締める。
  3. 力を抜いて体をリラックスさせる。
  4. ここまでの動きを10回1セットとして、1日3〜5セットほど行う。

最初のうちは締める時間を短くして練習し、慣れてきたら時間を伸ばしていくのがおすすめです。

骨盤底筋体操は、力んでしまうと逆効果になるため、リラックスした状態で行うことを心がけてください。

座ったままで

参照:動画で簡単!座ったままできる骨盤底筋トレーニング
参照:動画で簡単!座ったままできる骨盤底筋トレーニング

次は、座ったまま行う骨盤底筋トレーニングのやり方です。テレビを見るときや本を読んでいるときなど、自宅でのリラックスタイムに手軽に取り組めます。

  1. 足裏を床につけて浅くいすに腰掛け、骨盤を立てる。
  2. 両手をひざの上に乗せ、お腹を前に突き出す、あるいはお尻を後ろに突き出して骨盤を前に傾ける。
  3. そのままおへそをひき、尾てい骨がいすにつくくらい傾けるように意識しながら、骨盤を後ろに傾ける。
  4. 骨盤を前後に倒す動きを繰り返す。

座ったまま行うことで、骨盤を立たせる感覚を身に付けやすく、骨盤底筋のマッサージにもなり、血流もよくなります。

お尻を後ろに突き出したり、骨盤を後ろに傾けたりする際、尿道・膣・肛門をキュッと引き上げるように意識するのがポイントです。

呼吸はラクな状態を保ち、頭の中でイメージしながら動きと骨盤底筋に意識を集中させてください。

四つんばいで

参照:動画で骨盤底筋トレーニング:四つんばいの動き編
参照:動画で骨盤底筋トレーニング:四つんばいの動き編

骨盤底筋を鍛える際、尿道と膣、肛門の順番でそれぞれ引き上げるように締めることが大切ですが、なかなか感覚をつかめない人は四つんばいの姿勢で行うのがおすすめです。

  1. 四つんばいになったときに、ひじとひざがちょうど入るサイズのバスタオルやブランケットを用意する。
  2. 四つんばいになって手を軽く組み、足を腰幅に開いた姿勢で足の指を立てて、心臓の方がお尻の高さよりも下になるようにひじで支える。このとき、骨盤底筋の力を一旦抜き、それと同時にお尻の力も解放するのがポイント。
  3. ひざでブランケットを引き寄せるつもりで、おへそを引き上げていく。お腹を薄くする感じで、尿道・膣・肛門の順番で背骨に向かって引き上げるようにする。
  4. 締めて・緩めてを繰り返す。

尿道・膣・肛門の場所がわからない場合は、骨盤底筋を寄せて引き上げるようにすると、力がついてきます。下腹部分が引き締まるのが感じられれば、より効果的です。

早い速度で「キュッと締めて緩める」を繰り返した後、10秒以上ギューと締め続けて、持続的な筋肉を鍛えましょう。

ウォーキングで

freeangle / PIXTA
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一見関係なさそうなウォーキングですが、正しい方法で行えば骨盤底筋を鍛える効果が期待できます。

  1. 骨盤を立たせて正しい姿勢で立つ。
  2. そのままの姿勢から、背筋を伸ばすことを意識しながら、ひざとつま先を揃えて進む方向へ足を振り出す。
  3. かかとから踏み込み、足裏の中央、つま先と体重移動させる。
  4. 「腰から足を出す」ようなイメージで、母指球(足裏の親指の付け根のふくらんだ部分)で蹴り出す。

足を蹴り出す際、いつもより歩幅を約10cmプラスするイメージで、大きく歩幅をとるのがポイントです。

骨盤底筋を意識しながら歩くと、自然と鍛えられていきます。

腕はひじを伸ばして力を抜き、体の動きに合わせて肩を視点として軽く前後に振って歩きましょう。根気よく続けていると、正しい歩き方に慣れてバランスのよいウォーキングができるようになります。

50代女性が無理なく骨盤底筋を鍛えるコツ

50代女性が無理なく骨盤底筋を鍛えるコツ
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骨盤底筋を鍛えるには、毎日継続してトレーニングを行うことが大切です。しかし、仕事や家事で忙しい50代女性の中には、続けられるか不安な人もいることでしょう。

ここでは、50代女性が無理なく骨盤底筋を鍛えるコツを紹介します。

骨盤底筋トレーニングを生活の一部にする

50代女性が無理なく骨盤底筋を鍛えるには、トレーニングを生活の一部にするのがよいでしょう。

例えば、食器を洗いながら、テレビを見ながら、通勤や散歩の途中など「ながらトレーニング」を活用し、日常生活の中でなんとなく続けるのがおすすめです。

他には、お風呂に入る前、夕食の片付けをした後など、毎日決まった時間に行って習慣化するのも一つの方法です。

骨盤底筋の衰え方は人によって異なるため、筋力や体調に合わせて、自分のペースを守りながら無理のない範囲で続けてください。

違和感や痛みがある場合はすぐにトレーニングを中止して、必要に応じて専門家に相談しましょう。

仲間・家族と一緒に取り組む

骨盤底筋トレーニングを無理なく継続するためには、仲間・家族と一緒に取り組むのがおすすめです。

特に、いつも新しいトレーニングを始めても一人だと続かない人は、誰かと一緒に励ましながら行うことでモチベーションも上がり、効果もアップするでしょう。

骨盤底筋は女性だけでなく、男性にとっても重要な役割を果たしています。パートナーがいる人は、一緒にトレーニングをすればコミュニケーションが深められるかもしれません。

日常生活の中の体の使い方も重要

骨盤底筋を無理なく鍛えるには、骨盤底筋トレーニングを継続するだけでなく、日常生活の中の体の使い方を意識することも重要です。

具体的には、重たいものを持つときは骨盤底筋を締めてから持ち上げる、排便時は便座に座って両手をひざの上に置き、上半身を前に傾けてゆっくりと呼吸する、洗濯物を持って階段を登るときは数回にわけて運ぶといった具合です。

尿漏れや骨盤臓器脱などの症状を予防するためにも、過度な腹圧がかからないよう注意しつつ、生活の中で締めたり緩めたりして骨盤底筋を鍛えながら生活しましょう。

骨盤底筋の意識付けができるグッズを活用するのもおすすめ

骨盤底筋の意識付けができるグッズを活用するのもおすすめ

継続がカギの骨盤底筋トレーニングですが、骨盤底筋は目に見えないため、本当に鍛えられているのか、そもそもどこにあるのかわからない人も多いことでしょう。

そのような場合、ショーツで骨盤底筋の意識付けをサポートするのがおすすめです。

ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)」は、普段の生活ではなかなか意識しにくい骨盤底筋の意識付けを習慣にできる便利なサポートショーツ。

股部分についたサポート生地がやさしい適度な圧を与えてくれる「骨盤底筋もち上げサポート」と、骨盤まわりを左右から引き締める「骨盤まわり引き締めサポート」で、一般的なショーツと同じように、「はくだけ」で骨盤底筋に意識を向けられます。

ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)

サポートショーツというと、ギュッと締め付けて苦しいイメージがあるかもしれませんが、「ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)」は、よく伸びて締め付けず、着脱も簡単です。

よく伸びて締めつけず着脱も簡単

風が通る綿メッシュ素材でできているため、暑い季節も一日中さらっと快適に過ごせます。

薄手の綿混生地でゴワゴワせず涼しさも◎

骨盤底筋トレーニングを継続して美と健康を維持しよう

50代女性は、骨盤底筋の衰えによって、尿漏れやボディラインの崩れなど、健康や美容に関するお悩みが出やすくなる時期です。

骨盤底筋トレーニングや体操は、誰でも簡単に始められ、継続することで効果が得やすくなります。

「ながら」や仲間・家族と一緒に行えば、無理なく楽しく続けられるため、「もしかして骨盤底筋が衰えているかも」と感じたら、すぐにトレーニングを始めてみてください。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

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