尿意がないのに尿漏れするのはなぜ?原因は?

尿漏れとは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。特に年齢を重ねた女性に多く、尿漏れの種類によっては尿意がないのに漏らしてしまうこともあるため、日常生活に不安を感じている人もいることでしょう。
では、なぜ尿意がないのに尿漏れしてしまうのでしょうか。ここでは、考えられる原因を紹介します。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、尿意がないのに尿漏れが起こる大きな原因です。
特に女性は、年齢によってホルモンバランスが大きく変化します。閉経を迎える前後約10年の間に卵巣からのエストロゲンの分泌が激減することで、ほてりや動悸、頭痛などの身体的な症状、イライラや不眠などの精神的な症状が現れやすいです。
膣や膀胱、尿道も、エストロゲンの減少によってコラーゲンが減少し、粘膜が薄くなったり潤いが失われて硬くなったりします。その結果、膣が萎縮してしまい、子宮を支える力も減少。子宮が下がって膀胱を押してしまうことで、ふとした瞬間の尿漏れが起こりやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れも、尿漏れの原因の一つです。
通常、腎臓で作られ膀胱に蓄えられた尿は、一定量を超えると尿意を感じ、自分の意思で排尿します。
この働きには脳と自律神経が関わっていて、加齢やストレス、喫煙、不規則な生活などによって機能が低下すると、膀胱の収縮や拡張、尿道の開閉をコントロールしにくくなり、尿意がないのに尿漏れしてしまう可能性があります。
特定の疾患
脳梗塞や認知症、脳腫瘍などの大脳の疾患によって脳の機能が低下し、尿意がうまく伝達できないことで尿意がなくても尿漏れすることがあります。
また、糖尿病も尿意がないのに尿漏れする原因の一つ。糖尿病による末梢神経障害の症状として起こることが多いです。他にも、外傷や腫瘍、血管障害、多発性硬化症などが原因で起こる骨髄トラブルによって尿意が鈍くなることもあります。
骨盤底筋のゆるみ
尿を自分の意思で排出できるのは、尿道のまわりにある骨盤底筋や尿道括約筋が尿道をギュッと締めているからです。
「骨盤底筋」とは、骨盤の底にあり、子宮や膀胱、直腸などを支えて正しい位置に保つハンモック状の筋肉の総称です。
複数の筋肉が集まっていることから「骨盤底筋群」とも呼ばれています。この骨盤底筋には尿道括約筋も含まれていて、尿道や肛門を絞めたりゆるめたりといった、排尿や排便をコントロールする役割も担っています。
しかし、妊娠や出産、加齢などによって骨盤底筋や尿道括約筋がゆるんでしまうと、尿道を締める力も弱まってしまうため、ふとした瞬間に尿意がなくても尿漏れが起こりやすくなってしまうことも。
特に更年期は女性ホルモン「エストロゲン」の減少に伴い、筋肉量も減少します。これにより、骨盤底筋がゆるみやすく、尿漏れも起こりやすい状態だといえるでしょう。
尿意がなくても起こる尿漏れの種類

尿漏れにはいくつかの種類があり、それぞれに起こる状況や症状、原因などが異なります。
ここでは尿意がなくても起こる尿漏れの種類と特徴を紹介します。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは、笑ったときやくしゃみ・咳をしたとき、重い荷物をもち上げたときなど、お腹に力を入れたときに起こる尿漏れです。
出産や加齢、運動不足などによって骨盤底筋や尿道括約筋が弱くなってしまうことで、尿道を締める力をキープできず、力を入れたときに腹圧(お腹の中にかかる圧力)の方が高くなってしまい、不意に尿が漏れてしまいます。
女性にもっとも多いタイプで、週1回以上経験している人は500万人以上いるといわれるほど。特に更年期の女性は、エストロゲンの減少によって筋肉が弱まったり便秘や冷え性になったりするため、注意が必要です。
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁とは、何らかの原因によって尿がうまく排出できずに残尿が多くなり、膀胱から溢れてしまう状態のことです。
「溢流性」とは、あふれて流れるという意味で、少しずつ膀胱から尿が溢れて持続的に漏れてしまいます。
尿意があっても尿がなかなか出ない、少しずつしか出ないのが特徴ですが、少しずつ尿が溢れてくるため、尿意がはっきりしなくても漏れてしまうこともあります。
溢流性尿失禁は、常に尿漏れが起こりやすい状態です。それによって下着の汚れやにおいが気になり、QOL(生活の質)が低下しやすくなってしまうでしょう。
持続性尿失禁
持続性尿失禁とは、尿道括約筋の欠損や損傷、尿管異所開口(尿管が膀胱ではなく膣や別の場所につながった状態)、尿管膣瘻や膀胱膣瘻(尿管・膀胱と膣の間にトンネルのような穴があいた状態)などによって起こる尿漏れです。
常に尿が溢れ出てしまうような重症のケースも多く、原因に応じた治療が必要になるため、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
反射性尿失禁
反射性尿失禁とは、脊髄損傷や脊髄腫瘍、脳腫瘍、脳卒中、脳梗塞などによって起こる尿漏れです。
膀胱に問題がないのが特徴で、神経の障害によって尿意が脳にうまく伝わらず、膀胱にある程度の尿が溜まると、尿意がなくても反射的に排尿が起こってしまいます。
神経が勝手に筋肉を収縮しないように抑える必要があるため、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
夜尿症
夜尿症とは、いわゆる「おねしょ」のこと。子どもに起こるイメージが強いかもしれませんが、大人にも起こることがあります。
子どもの場合は、排尿機能が未発達なために起こっていることが多く、ほとんどが成長とともに解消されますが、大人の場合は骨盤底筋のゆるみや自律神経の乱れ、睡眠障害、便秘や子宮脱、うつ病などが原因で起こることもあります。
適切な治療を受ければ改善できるため、夜尿症の症状が現れたら早めに医療機関へ相談してみましょう。
排尿後滴下
排尿後滴下とは、トイレで用を足した直後に尿が漏れる症状のことです。
中高年の男性に多い症状ですが、女性でも排尿後に数滴下着に垂れる程度の症状が現れることもあります。
小陰唇のひだや膣内に尿が入り込んで起こるケースが多く、トイレットペーパーでしっかり吸い取る習慣を付ければ改善できる可能性が高いです。
しかし、女性ホルモンの減少による小陰唇癒着症が原因で起こる可能性もあるため、拭き方を工夫しても改善しない場合は、医療機関を受診してみるとよいでしょう。
自分でできる尿漏れ対策法

尿漏れは、閉経前後の更年期の女性が特に注意すべき症状です。
尿意がないと漏れてから気付くことが多く、QOL(生活の質)が著しく低下する原因になるため、症状に気付いたらできるだけ早く対策することが大切。原因や尿漏れの種類によっては、自分で症状をやわらげたり、日常生活への影響を少なくしたりできる可能性もあります。
ここでは、自分でできる尿漏れ対策法を3つ紹介します。
骨盤底筋体操を継続する
骨盤底筋体操は、ケーゲル体操とも呼ばれ、骨盤底筋を鍛える体操のこと。骨盤底筋体操を行うと、骨盤内の臓器を正しい位置に保てるようになるため、尿意のあるなしに関わらず尿漏れの症状を軽減する効果が期待できます。
以下は、仰向けの姿勢で行う骨盤底筋体操の正しいやり方です。

- 布団の上に横になり、膝を肩幅に開く
- おならを止める感じで肛門をギュッと締める
- おしっこを途中で止める感じで膣をギュッっと締める
- 大きく息を吸って、ゆっくりと息を吐きながら骨盤底筋→下腹→おへそと下から順に空気を絞り出すように、骨盤底筋をおなかの中にぐっと引き込む
- 大きく息を吸いながら、骨盤底筋の力を抜く
- ここまでの動きを、計5秒で行う
ポイントは、腰を反らせないようにして行うこと。肛門を締めると骨盤底筋は後ろから前に向かって動き、膣を締めると前から後ろに向かって動きます。
最初は骨盤底筋を引き込む感覚がわかりにくいかもしれませんが、慣れてきたらキュッ、パッ、キュッ、パッとリズムよく2〜5までの動きを繰り返し、次に2〜4を3秒キープした後に5の力を抜く動きを5回繰り返してみましょう。
これらを1セットとして、1日2〜4セット行うのがおすすめです。
骨盤底筋体操は、毎日継続して行うことが大切です。仰向けだけでなく椅子に座っていても四つん這いでもできるため、自分がやりやすい体勢で行いましょう。
生活習慣を見直す
自律神経の乱れや精神的なストレス、不規則な生活などが原因で尿漏れが起こっている場合は、生活習慣を見直すことが大切です。
栄養バランスが整った食事や適度な運動、早寝早起きを心がけ、自律神経やホルモンバランスを整えましょう。
また、食べ物では唐辛子やわさび、レモンなど膀胱への刺激へつながるもの、飲み物ではカフェインが多く含まれたものや人工甘味料を使用したもの、冷たい飲み物などは頻尿の原因になるため、控えることをおすすめします。
尿漏れパッドやショーツを活用する
尿漏れの回数を減らしたりなくしたりなどの対策ももちろんですが、日常生活に支障が出ないようにコントロールすることも重要です。
近年では、フェムテック製品が一般的に浸透しつつあり、尿漏れパッドやショーツなどの吸水ケア用品も多数販売されています。
素材や形状も豊富で、尿を吸水するだけでなく、においを消臭してくれる効果が期待できるものもあるため、自分の症状に合ったものを選んで活用してみましょう。
骨盤底筋の意識付けにはサポートショーツが便利!
出産や加齢、運動不足、更年期による女性ホルモンの減少などで衰えてしまった骨盤底筋を鍛え、尿漏れを予防するには、骨盤底筋体操の継続が有効です。
しかし、骨盤底筋は体の奥深い部分にあり、見たり触れたりできません。正確に動かすには位置や動かし方に慣れる必要がありますが、日常生活の中で骨盤底筋を意識することはほとんどないため、どこにあるかわからない人も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、骨盤底筋の意識付けとして、サポートショーツを活用するのがおすすめです。
ここでは、おすすめのサポートショーツを紹介します。
ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)
「ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)」 は、泌尿器科医監修のサポートショーツ。下着としてはくだけで骨盤底筋の意識付けができます。
股部分についた生地が骨盤底筋を持ち上げるようにサポートするだけでなく、骨盤底筋に負担がかからないよう、左右から骨盤まわりをサポートしてくれます。
暑い季節でも快適に過ごせる通気性・吸水速乾の風通る綿メッシュを使用。抗菌防臭加工付きで、ムレやニオイを気にせずサラッと快適です。
サポート力もキツすぎず、毎日の習慣にしやすいため、骨盤底筋の意識付けから始めたい人は、ぜひ「ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)」 を試してみてください。
ハルメク ヘルスプラス・骨盤底筋&ヒップサポートショーツ
骨盤底筋の意識付けをサポートできるだけでなく、ヒップサポート付きのショーツをお探しなら、「ハルメク ヘルスプラス・骨盤底筋&ヒップサポートショーツ」がおすすめです。
骨盤底筋もち上げサポートと、骨盤まわり引き締めサポートで骨盤底筋を意識付けを助けながら、お尻の下からサイドにかけて貼ったサポート生地が、お尻をソフトにもち上げてパンツスタイルを若々しく見せてくれます。

さらに、おなか部分にも気になるぽっこりおなかをすっきりきれいに整えてくれるサポート生地付き。ゴムなどの不快感もなく、おなかに食い込みにくい作りで、体型をカバーしつつ毎日快適に過ごせます。

「ハルメク ヘルスプラス・骨盤底筋&ヒップサポートショーツ」は、「ハルメク 健康サポート・骨盤底筋サポートショーツ(涼やか綿メッシュ)」よりもサポート力が強いため、骨盤まわりからおなか、お尻までを1枚でカバーしたい人はぜひ試してみてください。
尿意がない尿漏れは早めの対策で予防しよう!
尿意がないのに尿漏れが起こる原因は、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、特定の疾患、骨盤底筋のゆるみなどさまざまです。
起こる状況や症状、原因などによって尿漏れの種類も異なり、自分で対策・予防できるものとできないものがあります。そのため、まずは医療機関を受診して原因を特定し、必要であれば治療を受け、セルフケアが有効な場合は継続して行ってみるとよいでしょう。
ぜひ、本記事を参考にしてみてください。
※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
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