50代からの終活は生前整理から始めよう

近年、よく耳にするようになった「生前整理」という言葉。終活の一つとして知られていますが、若いうちから始める人も増えてきています。
とはいえ、50代だとまだ自分には関係ないと思っている人や、どれから始めたらよいのかわからず困っている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、生前整理とはどのようなことを指すのか、50代の終活で生前整理を優先すべき理由について詳しく紹介します。
生前整理とは
生前整理とは、存命のうちに身の回りの必要なものと不要なものを整理することです。具体的には以下のようなことを行います。
- 身の回りのものの整理:衣類・書類・家電・家具・思い出の写真や物品など
- デジタル整理:使用していないSNSアカウント・月額制のサービス・FXの口座・クレジットカードなど
- 財産の整理:貯金・貴金属・不動産・株式など
上記のほかに、万が一の時に備えて自分の情報や死後の対応方法などを記したエンディングノートを書いたり、財産の処分に関する自分の意思を示した遺言書を作成したりすることも、生前整理に含む場合があります。
50代の終活で生前整理を優先すべき理由
50代の終活の中でも特に重要なのが、生前整理です。なぜなら、生前整理には想像以上に体力が必要だからです。
50代にもなると衣類や日用品、本だけでなく、家具や家電、健康器具など、さまざまな物品を家の中にため込んでいるケースも多く、整理するとなるとそれらを出すだけでも大変な作業になります。
さらに、分類したり処分したりする手間もかかるため、気力・体力ともにまだまだ元気な50代のうちにできるだけ進めておくことが大切です。
また、50代というと子どもが成長して独立することが多い時期です。
これまで子どもが使っていた部屋を別の用途で使えるようになります。例えば、楽器演奏スペースや読書空間など夫婦の趣味の部屋にしたり、ゲストルームや民泊スペースにしたりなど、大幅な変更もしやすいでしょう。
なお、40代や50代など、老いる前に行う生前整理のことを「老前整理」といいます。夫婦2人、もしくはおひとり様でも、自分自身がメインの生活になる50代は、老前整理を始めるのに適した年代だといえます。
50代で生前整理を始めるメリット

生前整理を50代から始めておくことで、自分だけでなく家族にとってもいろいろなメリットがあります。
ここでは、50代で生前整理をするメリットを紹介します。
慎重に整理する時間が取れる
50代で生前整理を始めると、60代や70代よりも慎重に整理する時間が取れます。
生前整理は1日や2日で簡単に終わるものではありません。50代のうちからあいている時間を生前整理に活用することで、定年後や老後に慌てる必要がなく、マイペースにゆっくり取り組めます。
じっくりと時間をかけて整理をすれば、焦って本来残しておくべきものを処分してしまう心配も少なくなるでしょう。
体力が必要な大規模な整理に取り組める
上述の通り、50代は気力・体力ともにまだまだ元気なときです。
生前整理では、家の中にあるすべてのものを出し、必要なものと不要なものに仕分け、不要なものは処分して、必要なものを収納し直す必要があります。
ほかにも、家具や家電などの重たいものを運ぶといった体力を使う作業も多いです。
60代や70代になって体力が衰えてからこれらの作業をするとなると、心身に大きな負担がかかってしまう可能性もあるため、体力のある50代のうちから、計画的に生前整理を始めておくことをおすすめします。
老後のマネープランを具体的にイメージできる
50代から生前整理を始めれば、老後の生活を具体的にイメージできるようになります。
生前整理には財産の整理も含まれるため、現在どのくらいの財産があるのか、老後に安定した生活を送るにはあとどのくらいの資金を集めればよいのかなど、老後のマネープランに必要な情報を得られます。
退職金や年金のことも頭に入れつつ、さらに不安を少なくしたいのであれば、老後資金のために資産運用をすることも可能です。不安を残さず、有意義な日々を過ごすためにも、50代から生前整理をしておくとよいでしょう。
これまでの人生をゆっくり振り返れる
生前整理では、昔の写真や手紙、誰かにもらったプレゼントなど、思い出の品の整理も行います。
自分が学生だったとき、子どもが小さかったときなど、写真を整理しながら自分のこれまでの人生をゆっくりと振り返ることができます。
それによって、自分が人生で大切にしたいものは何なのか、これからどう生きていきたいかを考える機会にもなるでしょう。
将来的な家族の負担を軽減できる
50代で生前整理を行うことで、将来的な家族の負担を軽減できます。
生前整理が不十分なまま亡くなってしまった場合、残された家族はお葬式や相続の手続き、お墓の手配などやることがたくさんある中、遺品の片付けもしなければいけません。
ものが多いと、片付ける時間を多く取らなければならないだけでなく、処分に体力やお金が必要になり、大きな負担になる可能性もあるため、早めに生前整理を始めておくのがおすすめです。
50代で生前整理を始めるデメリット

50代で生前整理を始めることには、メリットだけでなくデメリットもあることを忘れてはいけません。
ここでは、50代で生前整理を始めるデメリットを紹介します。
定期的に見直しを行う必要がある
50代というと、現代ではまだまだ人生の折り返し地点です。
これから先も物品は増えていくことが予想されるため、定期的に見直しを行う必要があることを理解しておきましょう。年に1度の大掃除のときに不要なものを処分するなど、負担になり過ぎないタイミングを見つけるのがおすすめです。
また、相続や税金などの制度が変わることも考えられます。その場合は、相続や資産の見直しが必要になるため、最新の情報を収集しておきましょう。
心身の健康を損なう恐れがある
本来、50代からの生前整理はゆっくりと時間をかけて行うものですが、焦って重たい物品を処分して体を傷めたり、自分の人生の終わりについて考え過ぎたりしてしまうと、心身の健康を損なう恐れがあるため注意が必要です。
ほかにも、食器や調理器具、衣類などをたくさん処分した場合、普段使うものが足りず、生活が不便になったり、ものが少ない生活にストレスを感じたりする可能性もあります。
50代から生前整理を行うときは、処分し過ぎに気を付けましょう。
50代で生前整理をする際のポイント

50代から始めるのがおすすめの生前整理ですが、早めに取り組むからこそいくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、50代で生前整理をする際のポイントを紹介します。
処分する順番に注意する
50代で生前整理をする際は、処分する順番に注意が必要です。
長いこと使っていない家具や家電など、目に付きがちな大型の家財道具から手を付けたくなるかもしれませんが、作業が大変で生前整理を続ける気力が失われてしまう可能性もあります。
おすすめは衣類や日用品、本などの比較的処分しやすいものから処分する方法です。手に取りやすいところから、必要なものとそうでないものにわけていきましょう。
近年、注目されているデジタル遺品の整理も忘れずに。パソコンやスマホに保存しているデータやサブスクなども、不要なものは処分したり退会したりしておくと後々安心です。
また、貴重品の処分にも十分な注意が必要です。特に資産になりそうなものが含まれている場合は、急がず、ある程度整理が終わってからゆっくりと処分するかどうかを決めることをおすすめします。
できれば家族と一緒に行う
生前整理は、できれば家族と一緒に行うのがおすすめです。
例えば、家族の思い出の品は、実は誰かにとってとても大切なものかもしれません。自分一人の判断で処分してしまうと、家族が悲しい思いをする可能性があります。
財産や遺品についても、後々のトラブルにつながらないよう、家族に相談しながら整理を行い、情報を共有しておきましょう。
また、生前整理や終活にネガティブなイメージを持っている人も少なくありません。
一人でゆっくり生前整理を行いたいと考えている場合も、家族に誤解を与えないために、なぜ生前整理をするのか、前向きな取り組みであることを事前に伝えておくとよいでしょう。
不用品の処分方法は臨機応変に
処分が大変な大型の家財道具は、不用品買取業者に引き取ってもらうと楽に処分できます。
もう着ない古着や靴などは、大型の家財道具やその他のゴミと一緒に不用品回収業者に引き取ってもらったり、自治体のゴミとして処分したりするのもよいでしょう。
ただし、破れや汚れがないものや、思い入れがあって捨てるのは気が引けるものについては、リサイクルショップに持ち込む方法やフリマアプリ・オークションで売る方法、寄付などの中から臨機応変に決めるのがおすすめです。
例えば、少しでも家計の足しにしたいときはお金に変えられる方法を、必要としている誰かの役に立つ形で手放したいときは寄付する方法を選ぶといった具合です。
他にも、ファストファッションブランドの店頭に設置された衣類回収ボックスを利用したり、家族や友人に譲ったりなど、さまざまな方法があるため、どれが自分に合っているか考えてみましょう。
思い入れのある衣類の処分は「古着でワクチン」がおすすめ
若い頃に気に入って着ていた服や靴、バッグなど、思い入れのある衣類が生前整理で出てくることもあるでしょう。
「ゴミとして処分してしまうのはもったいないけれど、もう着る機会もないし譲る友人や知人もいない」という場合は、「ハルメク 古着でワクチン」を活用するのがおすすめです。
「ハルメク 古着でワクチン」は、不要になった服や靴、カバンなどを社会に役立つ形で手放せる「寄付付きお片付けサービス」です。ハルメク公式通販サイトで回収キットを購入し、古着を詰めて送るだけで社会貢献ができます。
寄付できる物品は、Tシャツやカットソー、ジーンズなどの衣類や手袋、マフラーなどの服飾小物、靴、バッグ、アクセサリーなど。回収可能な品目も幅広く、違う品目のものを一緒に回収袋に入れて送れるため、生前整理で大量に出た古着を一度に処分したい人におすすめです。
回収された衣類などはカンボジアに送られ、現地で販売されるほか、適した国へ再輸出されます。
さらに、「ハルメク 古着でワクチン」は回収キットを一つ購入するごとに、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通じて、ミャンマー、ラオス、ブータン、バヌアツなどの開発途上国の子どもたちにポリオワクチンを贈ることができます。
生前整理で出た不要な衣類を、誰かの役に立つ形で手放したい人は、ぜひ「ハルメク 古着でワクチン」の利用を検討してみてください。
50代は生前整理を始めるのにベストなタイミング!
他の世代と比べてまだ体力があり、時間にも精神的にも少し余裕がある50代。これまでの人生を振り返り、これから先の人生をより快適に過ごすためにも、50代は生前整理を始めるのにベストなタイミングだといえます。
不要なものを整理することによって家の中がスッキリするだけでなく、将来的な家族への負担や、老後の生活の不安を軽減することにもつながるでしょう。
とはいえ、いきなり家中を整理するのは気後れしてしまう人もいるかもしれません。そのような場合、まずはクローゼットを一つ片付けることから始めてみてはいかがでしょうか。
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